2013-01-01から1年間の記事一覧

蓼食う虫-35

春の海は 実りの季節 海の香り かつて テレビやラジカセの無い時代 庶民の灯りと言えばたき火だけだった頃 阿蘇山の噴火する音は京都まで聞こえたと言います、 私の実家は海から10km位 山一つ隔てた所でしたが 冬の夜には日本海の波が荒れる音が伝わって…

蓼食う虫-34

食卓を豊かにするために プロセスを楽しみましょう 失敗した話は 立派なごちそうです 3球三振 「他人の不幸は蜜の味」と言いますが 自分のピンチを笑い話に出来るのは これこそ人間の特権であり かろうじて猿と区分されている由縁のものではないでしょうか…

蓼食う虫-33

山菜図鑑を持って散歩に出かけませんか 食べ放題の季節 菜種梅雨の頃になると そこら中に菜花が咲き 暖かい陽ざしにさそわれて 冬眠から覚めた食いしんぼがウキウキしながら野原に出かける時期になります。 この頃から五月いっぱいくらいまで 大きなイベント…

蓼食う虫-32

白菜は切り方 白菜 冬場の代表白菜は 漬け物や鍋物が一般的ですが この野菜は切り方一つで持ち味が変わる 楽しい野菜です葉の柔らかい部分はサラダや盛りつけに 芯に近い小さな葉はサラダやディップ、盛り付け用と そのままでよろしいのですが 葉の大部分を…

蓼食う虫-31

野菜のインフレに悩む季節に 蕪 葉境とはよく言いますが 最近では正月の前後に急激に野菜がインフレを起こし レトルトや肉類を食べた方が食卓が豪華になる時期があります もっとも これをもって豪華だとか豊かだなどと言うのは的外れだと思いますからここは…

蓼食う虫-30

節句のお寿司 押し寿司 最近の家庭で見かけることの少なくなった調理器具に 升や扇子・花の形をした押し寿司用の木枠があります かつては めでたいにつけ 悲しいにつけ 近所の女性が食材を持って寄り集まり 総出で準備する料理の中に ちらし寿司を使った押し…

蓼食う虫-29

アテナの贈り物 オリーブオイル アテナの贈り物と言われるオリーブオイルは 規格化が好きでキリスト教を発明した後カノンという規格書をしつらえた古代ローマでも オリーブオイルの生産奨励と 製造・品質に関してすでに統一規格を定めており 木を伐採した者…

蓼食う虫-28

冬を支えた魚 塩鮭一尾 秋にあの巨体が群れをなして川を遡上するなんてのは これは捕って食べてくれと言うようなもので かつては九州北部あたりまで捕れた鮭も 今では人工孵化でのサポートが必要なほど食い尽くすとは 人の胃袋と 懐の底無しさ加減に頭が下が…

蓼食う虫-27

カルボナーラはクリームソースじゃないでしょう 卵の香り 小さい子供は味覚が発達していないため 食感の良い麺類と 味がはっきりしているカレーなんかを好むので うどん、パスタ、カレーなんてのは定番でよく作っていましたが、 カルボナーラだけはイメージ…

蓼食う虫-26

海の中は陸上より遙かに豊かです サンマづくし 水の中の豊かさは陸上と比べものにならないことはよく言われますが ちょっと考えてみれば簡単なことです 考えても見てください そこら中を駆け回っているだけで口に食べ物が飛び込んできて おなかがいっぱいに…

蓼食う虫-25

永く健康であるために ウチナーの知恵 最近の台所用洗剤はずいぶん改良され 少量でよく落ちるようになっていますが その分 台所で水仕事をする手に与えるダメージも強力なようで 冬になると両手の指先に貼ったカットバンを見るのが痛々しかったものです。 あ…

蓼食う虫-24

満ち足りた時代に 森の精の力 現代の文化的な生活は かつて50人の召使いに傅かれた貴族の生活を遙かに上回るものだそうですが、 こと 食に関して言えば 保存技術や流通機構に後押しされ 私達一般庶民のささやかな生活でさえ 有史以来誰も経験したことの無…