満ち足りた時代に
森の精の力
現代の文化的な生活は かつて50人の召使いに傅かれた貴族の生活を遙かに上回るものだそうですが、 こと 食に関して言えば 保存技術や流通機構に後押しされ 私達一般庶民のささやかな生活でさえ 有史以来誰も経験したことの無いような贅沢を享受しています。
人間 すべてが整うと 不自由さや手間をかけることに価値を見いだすのでしょうか 1ヶ月かけてコツコツと燻製を作る人が増えており アウトドアショップでは燻製用のスモーク・ウッドが定番商品のトップだそうです。
スモークウッドと燻煙 スモーカー全景 ベーコンと紅鮭の燻製
燻 製
・ 豚のバラ肉は脂身の少ないものを選んで購入(豚肉は日本産なら問題ありません
ので 色の良いのを求めます)、たっぷりの塩と重しをして約2時間後に洗って
表面を拭き取り 除菌アルコールを吹いて塩、胡椒、タイム、砂糖を 結晶が手に
感じるくらいまぶした後 天ぷらバットに乗せて冷蔵庫へ。
時々ドリップを拭いたり アルコールをかけて消毒 そのまま塩分の浸透を待ち
ます。
1~2週間経過したら 冷水に1時間さらして塩抜きを行い スモーキング(10
分程度)、その後ビニール袋に入れて 65℃で20分茹でて完成、 夏場の保存は冷
蔵庫で。
最初に水で洗った後 ピックル液(胡椒等を加えた塩水)に漬けると 塩分濃度
の調整がしやすく初心者向きですが ピックル液を使用する場合は 液から出した
後一週間程度冷蔵庫で乾燥します。
面を乾燥します。
スモーキングは 市販のスモークウッド1本を3~4回に分けて 10~15分
/回を1日おきに実施します。
・ 写真のスモーカーは自作で 油受けや金網があり 上下の隙間が調整できるよう
になっていますが 段ボール箱をガムテープで貼り合わせたものに バーベキュー
用の串を刺してぶら下げ 蓋は新聞紙を使ったものを長いこと愛用しましたが 是
で十分です 森の精はいやがりません。
スモーキングの後はぶら下げておきますが 冷蔵庫に入れるときはビニール袋等
に入れないと 煙の臭いが充満しますので注意してください。
ジーナ・アイエンガー教授の「選択のの科学」は 東洋的価値観を西洋的手法で世に知らしめた画期的論文で 日本人の私は喝采したものですが この本によると お金持ちは必ずしも幸せだと思っておらず むしろ中流階級に多いのだそうです、 とすれば 1億総中流階級の我々日本人は世界で一番幸せな民族といえます。
中でも 煙をくゆらせながら 誰と どの酒を酌み交わそうかなんて
考えているやつは・・・なおさらのことです。