蓼食う虫-118

酒と料理の調和  

 
           肉の下ごしらえ


 ある宗教活動をしている御婦人と話していて 「幸せとは何でしょうか?」と問いかけられたことがあります、「神様に・・・」などとは 口が裂けても言えない信念を持っているもんですから 不幸は誰がみても不幸ですが 幸せには絶対値がありません、
 ですから 不幸じゃないことは幸せなんだと気がつくことじゃないでしょうか、なんて ワケのわかんない禅問答を楽しみながら 午後のティータイム。
 後で じっくりWikipediaをみてみると 何でも定義しないと気が済まない西洋人は 何百年も苦労して膨大な文章を残したまま 未だ結論を出せずにいる。
 中国人に言わせると 「禍福は糾える縄のごとし」とか「人生万事塞翁が馬」になり、インド人に言わせると  苦とは「苦苦性・壞苦性・行苦性」ですから 「健康で こだわりや とらわれのない 穏やかな心の状態にあること」とでもなりますか。
 
 
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  焼いて       煮て       完成       鍋仕立ても
 
鳥大根
  肉はそのまま煮ると 煮汁の中に旨味が溶け出して 出し殻状態になるので 予め油で表面に焦げ目がつくくらい良く炒めてから使うものですが これが結構めんどくさいので 私はもっぱら電子レンジのグリルで20分、後はヘラこすって鍋に放り込むだけ、
 肉は予め酒やワインに漬けこんでおくと 肉の臭みが消え 柔らかさと 美味しさが増し、この一手間で肉の美味しさはキープされ スープにも美味しさが加わることになります。
 筑前煮・角煮・カレーなど 原理は全て共通、 薄い肉はソテーして一度取り出し 後から加えると良いですよ、魚のアラでスープを作るときにもお勧め。
 大切なことを一つ 大根は「にがり」を使って下茹でをすると美味しく仕上がります。
 
 料理に対する考えも洋の東西、 西洋ではKooking、もともとはラテン語Coque、火熱を加えることなんだそうで 火を使わないサラダやオードブルは切るだけなのでコックの仕事ではなく ウェイターの範疇なんだそうで 火はオーブンかソテーで加えるのが一般的。  
 中国では調理・料理は 料(はかって)(おさめる)で バランス良く一件を落着させることなんだそうですが 鍋が一つながら 油の使用量だけで7段階にも区分され 料理名も変わるとは なるほど 油を使わせたら世界一、料ってるわけだ。
 一方 日本では 包丁人とか板前などと呼ばれ こちらはカットする技術を重視する国柄、後は何でも煮るだけ、なにせ割烹というくらいですから。
 最近 ミシュランガイドの審査員が 日本料理はカットしただけで スパイスもろくに使っておらず 料理とは言えないじゃないか・・・・・・ なんて曰われる方が居るとか、 足し算と掛け算しか知らない民族の奴めら、引き算と割り算のほうが ずっと高等で味わい深いことを教えてやらなくちゃ。
 フランス料理の油っこさは 食べ合わせで大きく変わるワインを美味しく食べるために 油で舌をコーティングして 苦味・酸味を和らげるために発達したと言われ、日本料理は 酒の繊細さにマッチした肴が発展したもの、 食は三代・医食同源と言わしめた中華料理は どんな酒にも合うところが調和そのもの。
 ともあれ この膨大な時空に生まれたことだけでも奇跡、その上あれこれ悩めるなんて ぜいたくの極みじゃありません?。
    付け合せに 今夜の酒と ちょうどよい料理を算段する時間は 
               これを幸せと言わずして なんとしましょう
         残念なのは こだわりが多いんですよね
                       お酒を飲む日は特に。