蓼食う虫-35

春の海は 実りの季節
 
海の香り
 
 かつて テレビやラジカセの無い時代 庶民の灯りと言えばたき火だけだった頃 阿蘇山の噴火する音は京都まで聞こえたと言います、 私の実家は海から10km位 山一つ隔てた所でしたが 冬の夜には日本海の波が荒れる音が伝わってきたものですが 今では 溢れかえる光と音で気がつかなくなったものが増えています。
 かつて 田植えも終わり夏休みが始まると 集落の全員で海に出かけ 1日中楽しむのが年中行事の一つだった頃 バスに乗って出かけると 海岸から3km以上も離れたところから 海の匂いがしてきたものです 潮と海藻が陽に当たる海の香りです、 干したワカメからは あの懐かしい夏の香りがします。
 
 
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    流れワカメ採り     ワカメ干し         干しワカメ
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   茎の塩ワカメ  干した茎ワカメ  メカブの子   ワカメトロロと温卵丼
 
ワカメ
 
 ・ 干しワカメ
    採ってきたワカメを大量の真水で洗ってから 天日干しにしますが 干す途中
   ワカメの葉がくっつかないように 付きっきりで葉を広げてやらなければなりませ
   ん、こうすると丁度良い塩味の干しワカメに。
    後は好みの大きさに軽く手で砕いてふりかけなり 味噌汁なり そのまま酒の
   肴やお茶請けにどうぞ。
    この干し方は手間がかかりすぎるので 普通市販されていません。
 
  
 ・ 大量に採ってきたワカメは 80℃以上のお湯でさっと茹でて冷凍すれば一年中
  使用できます。
   夏まで保存しておき 冷たいそうめんに乗せ めんつゆをかければ 夏の幸せ。
 
 ・ 生わかめは塩で揉んであく抜きしたあと(アクが強いようなら再度実施)よく水
  を切ってから 溜まり醤油で醤油漬けに、生ワカメと醤油は相性抜群なうえに 冷
  蔵庫で1週間、冷凍庫で一年間は楽しめます。
    
 ・ 多すぎるときは 茎だけを採ってきます
  塩付けしたものは 塩抜きをしてから ポン酢等で好みに味付けすれば 高級品の
  おつまみに。
   干したものは水につけて戻し  コンソメ・醤油・みりん・少量の油を使って 薄
  めに味付すれば最高の健康食品、 コツは ひたひたの煮汁で水分が無くなるまで
  2回煮込むことです。
   味が薄ければ二回目に調節します、アサリを使えばプロ級の味に。
 
 ・ メカブの子供 
  これは茹でて食べると最高なのですが 丁度良いサイズを大量に入手するには 自
  分で海に行くしか。
 
 五月の連休を過ぎて海が荒れた翌日は トラック何十台というワカメが海岸に流れ着きます この中から 丁度良いサイズをより分けて ここはどうやったら美味しいかな? なんてことを考えながらびしょ濡れになっているやつは
                      ただの食いしんぼです。
 今回は 手に入りにくいものの紹介ですから ・・・・ 
                      見せびらかすだけです。