蓼食う虫-17

保存食も今ではごちそうとしていただけます
 
漬け物の季節
 
 秋が終わると そこら中の家では冷たい透明感の有る光の中で 大根や白菜を桶にいっぱい漬け込んで冬の支度をしたものですが こんな光景を季節感として知っている子はもういいなくなったかもしれません。
 漬け物は一般に知られている野菜の他に魚でも作られました、当時は鰺や小鯖がトロ箱単位で売られていたらしく これをぶつ切りにして瓶に塩漬けで保存し そのまま食べたり 焼いて食べたりしたものです。
 
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       小鰺        サゴシ          小鯖
 
魚の塩辛
 
 ・ 塩辛も鮮度を要求します 氷で保存し 処理する前に塩を振ってください
 ・ 小魚(小鰺、小鰯)は手で処理します 小鰺の場合 頭と腹を除き塩水で洗った
  後 尾の方からゼイゴをつかんで皮をはぎます、両側の皮をはいだら背びれと腹び
  れ、尾を取り除きます。
   小イワシは頭と腹を除くだけで十分で、サゴシ、鰺、鯖は頭と腹を除き 多めの
  塩を振って腹の中の血合いと表面のぬめりを良く取り除き 適当な大きさにぶつ切
  りにします。 
 ・ はじめに やや多めの塩で仮漬けを行い全体に塩が行き渡るようにします。 
     魚の表面に塩の粒がざらつく程度に塩をまぶし(胡椒、タイムは好みで加えると
  良いでしょう)  ビニール袋に隙間無く並べ 空気を抜いて輪ゴム等で口を縛り 
        冷蔵庫で約3日寝かせます。
   小魚は仮漬けをしなくても 適度な塩分量で漬けて翌日から食べられます。
 ・ 本来は骨ごとそのまま漬けておき 適当に発酵した頃合いを見計らい 手でちぎ
  って食べるのが美味しいのですが 出来不出来が大きいので 本漬けを行います。
   2日ほど塩漬けにしたら 余分な塩分を水で流して拭き取り 三枚におろしま
  す、サゴシは皮がややきついので1~2㎝の幅で薄く切れ目を入れます、鯖、鰺の
  場合は好みによります。
   胡椒、生姜、醤油、柑橘類の皮、レモン酢等は好みで加え ポリ袋に隙間無く並
  べて空気を抜き冷蔵庫で保存します。
 ・ 長期保存は 真空容器に入れて空気を抜き 冷蔵庫で 1~2ヶ月は楽しめます。
 
 冷蔵庫のない時代の原始的な保存方法ではありますが シンプルな美味しさを楽しめます、保存期間は塩分量によりますが かつてのように瓶で一冬分作ることはないでしょうから 薄塩で作って上記の様にレモンや醤油、、コブダシの素、胡椒等で旨みを加えてください、鰺や鯖は魚に美味しさが有るだけ良い物ができます。
 甘酢で締めて上品な一品、キュウリ等を加えて酢の物で、焼いてお弁当のおかずにはもちろん、骨付きのぶつ切りのまま手掴みで野趣を楽しむのも・・・
                            いいものです。