蓼食う虫-107

感動の緑
新茶
 
 昨年静岡から懐かしい友人が訪ねて来てくれまして、お茶が飲みたいというので 粉茶("蓼食う虫"-100 参照)を出したところ ごく自然に 「エ~ッ 色が付いてない!!」、 そういえば 静岡県人にお茶を出すときには注意しなくちゃいけない なんてなことをTVでやってたな とか考えていたら 忘れていた煎茶の美味しさを思い出しました。
 30才の頃 一時期 煎茶の美味しさにはまっていたことがあるのですが、中国人があれだけ脂っこい物を食べても太らないのは ウーロン茶が油を溶かして流すから などと言う まことしやかな話が流布したことがあり それ以来我が家では煎茶などと言うものを見たことがなく 粉茶で満足していたものですから おおあわて、今度見えたときには ちゃんとしたお茶を出さなくちゃと 押し入れの奥から建水を引っ張り出し 足りない茶器はヤフオクと通販で揃えた 5月の連休明、 最近 ホトトギスは聞くけど 郭公は? などと散歩を楽しんでいたら かのやんごとなき友人から新茶が届きました。   
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 届いた日に晩酌の後で きっと高い物を送ってきたんだろなァ などとおもいながらも せっかくだからとばかりに取り出したのは かぶせ茶の一番芽だけを 淺蒸しで仕上げた 針のように細いお茶。
 誰が見ても 極上品だと判る代物なので さすがに酔ったついでに飲むのはもったいない、 襟を正して翌日の朝、秤と温度計を用意して 長く忘れていた お茶の要領を想い出しながら至福の一時。
 茶殻を片付けようとしたら あまりに緑が鮮やかなので思わずつまみ食い これまた美味しいので おひたしと卵巻きにして全部いただいちゃいましたが 困ったのはこれから。
 大事にして 毎日一服だけ楽しみに飲んでいたのですが このお茶が無くなった後 何を飲んでも物足りないこと、 昔は お茶の渋みを押さえて甘さを引き出すのに苦労したものですが 年齢せいか お茶のせいか ここらで売っているお茶では 渋み・旨みが足りなくて、
  あの華やかな色と香り 長く舌の上に残る美味しさをおもいだすと、
      なんて事をしてくれたんだ-い !
          来年まで 1年間も 待ち遠しいが続くなんて
                        楽しすぎるじゃないか