蓼食う虫-58

 
これぞ本家・本元の料理
 
冬 は ”鰤”
 
 手前味噌と言う言葉がありますが 小さい頃から食べ慣れた味と言う物は体にしみこんでいるもので たまにフッと浮かんでくる懐かしい歌のフレーズのように 何かの弾みに思い出して気持ちをそそられることがあります。
 私は日本海側の出身なもんで いつまでたっても血の味しかしないマグロの味に慣れず 冬の鰤の方がよほど美味しいと思っているのです ( とは言ってもたいていはハマチなんですが )、 最近は定置網による漁が盛んになり 冬になると大量の魚が入ってくるらしく 60~70cm程度のものが900円程度で販売されているので 出かけるときは車にi積むクーラーは必需品、これを食わずにおれるもんですか。
 
 
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ブリと必須アイテム     本物の 鰤大根    モツの煮付け
 
本物のブリ大根 
 
 
  ブリ大根はブリのアラだけを使い 骨が柔らかくなるまで煮込んで 骨ごと大根を食べるアラ汁です 
 本来は囲炉裏に掛けた鍋でじっくり煮込むものですが そこまではこだわれません、何より手抜きをもって 
 自認するものですから 手っ取り早い方法として 圧力鍋を使いました。
  注意することは アラだけを使うことで 切り身を入れると味が悪くなります。 
 
 
  ・ アラは軽く塩をして 水で洗った後酒を軽く振っておきます 茹でて下ごしら
   えをしても良いでしょう
 
  ・ 鍋でアラがかぶる程度のお湯を沸かして味噌を溶き アラを入れて良く沸騰さ
   せ アクと匂いを取ります
    圧力鍋で15分加圧したら 大根の輪切りを投入し 大根がかぶる程度迄お湯
   を追加して さらに15分
           加熱が終わったら バルブを慎重に操作して圧を抜くと 一気に大根に味がしみ
           ます。
  ・ ダシの素、みりん、味噌を追加して味を調えます このとき必ずやや薄味にし
           ておくこと
    またかき混ぜないこと、 不注意にかき混ぜるとアラがバラバラになり盛りつ
           けが美しくなくなります
    
  
 煮込みの基本である 生姜やローズマリ-、タイム等は工夫次第です、 圧力鍋で野菜を煮ると野菜本来の味が残り 大根の場合やや大根臭さや苦さが出ますので 米のとぎ汁でアクを取るとか皮を剥いて面取りするなどの処理は 好みで行うと良いでしょう、今回はあくまで本来の味にこだわってみましたので 皮付きのままぶつ切りの大根を投入しました。
 よく 料理の本なぞに載っている切り身を使ったブリ大根なんてものは 只の煮付けです、 刺身 カマ焼き、照り焼き、ズケ、カルパッチョなどの他 尾に近い方は5mm程度のみじん切りにし 香味野菜とマヨネーズ・味噌で和えれば最高のタタキ風、 アラも煮付けるだけではなく軽く焼いてスープにすると又格別、 と まあ 一週間は楽しめますから  まず 魚を丸ごと料理しましょう。  
 胃袋・肝・心臓は特別です 味醂、酒、醤油で煮付けて
           ・・・・・・・・・・これは 料理人の約得