;蓼食う虫-55

 
ほんの一時の楽しみ
 
間引き菜
 
 太陽暦太陰暦で多少差は出ますが 季節の変わり目を西洋人は温度で 日本人は空気の色で感じると言われます、確かに気温がピークを迎える8月は 中旬に立秋に入っていますよね、外人さんにはまさに夏の盛りなのですが 良く気を付けると空気が白っぽくなっているし やがてヒグラシが鳴き始めて もう夏は終わるんだとわかるのが丁度この時期になります。
 そういえば かつて沖縄に赴任した頃 最初の年は盆も正月もただ暑いだけでしたが 陽ざしになれた2年目は秋に空気が白っぽくなり サトウキビの緑に何となく元気が無くなるのがわかるようになっていましたから 確かに空気の色は季節の気配の色でしたね。
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            蕪の間引き菜の浅漬け
 
間引き菜の浅漬け
   
   ・ 適当な大きさに切ってラップをしないでレンジで加熱(ラップをすると煮え
    てしまう)
 
   ・ 5%程度の塩水に入れて少し揉み込み 1時間くらい放置して アクの出た
    水を捨てる
 
   ・ 1%程度の塩、同量の砂糖と適量の昆布だしの素、少量の酢や醤油で漬け込
    む 一晩寝かせるくらいから美味しくなる
 
  かつての田舎では「菜の処理を男に見せるな」と言われていたらしいのですが 菜ものは茹でるとほんの少量になって 知らない人は 残りは何処へやったの? と 言いたくなるかも知れません。
 普通大根が多いのですが 今回は道の駅で蕪を発見して大喜びでした、 季節の変わり目に並ぶ間引き菜は一番美味しい頃に少量しか市場に出回りません、 これを薄揚げと一緒に煮浸しにしたものは大好物の一つで 時には小さく刻んで菜飯にしてみたり ほんの一時期の楽しみです、でも これは農家のおばあちゃんが一束ずつ洗って 余分な葉を除いて出荷して100円ですから この先いつまで見かける事やら。
  畑や田圃が生活圏だった頃には その年に始めて食べる物は 全員揃って「初物ですよ~」と声がかかってから 「ニコニコしながらたべるんよ」 なんて言われたのを想い出しますが 幸か不幸か今は年中同じ物を食ってるような気がしています。
  せめては 飽きっぽくても 先走りでも良いから せっかくの24節季を自分なりに再発見してみませんか。