蓼食う虫-10

郷土料理から 最高のごちそう迄
 
海のたまもの 
 
 小学校くらいまで 1年に一度の「浜行き」の日というのが有りました、梅雨が明けて 夏休み1週間以内くらいの頃だったと思いますが この日は集落の全員がおにぎりを持って 海岸で1日を過ごしたものです。
 なにせ10Km位とはいえ 朝4時頃から準備をして バス停まで4Kmを歩き 1時間ゆられて さらに1時間かかる時代でしたから まるまる1日を使った大イベントでした。
 車の普及とともにいつの間にか行われなくなりましたが 海では男がサザエやアワビ、蛸を 女は波打ち際の小さな貝を集め 翌日は貝飯をたいて年中行事を楽しんだものです。
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 貝の炊き込みご飯
 
 ・ 採った貝は水で洗わず 直ちに処理します。
    カサ貝(ボベ、ヨメガサ、ジンガサ)以外は水からしっかり茹でます、かさ貝
   は火を通し過ぎると小さく縮んで おいしくなくなりますから最後に入れ 30
   秒くらいで身がはがれますので 直ちに網籠に取り 扇風機等で あら熱を取り
  ます、このときゆで汁はご飯を炊くのに使うので取っておきます。
 ・ 茹でた貝は身を外し ゆで汁の中でよく洗って砂等を除いておきます、 醤油 
  みりんで少し甘辛い煮汁をほんの少量作り よくさましてから 汁気を切った貝の
 身に絡めておく。
 ・ ゆで汁をよく濾して  手抜き料理レシピ ”筍ご飯”を参考にしてご飯を炊いて
   蒸らしておきます。
 ・ 食べる前に 先に用意しておいた貝の身を加えます 貝は熱を加えすぎないよ
  う 細心の注意を払いましょう。
   一度に食べきれるくらいが美味しさのコツです 残りは味噌汁に。
 
 島根県ではカサ貝を使って ”ボベ飯”を作りますが これは処理が簡単で 身が大きく 採りやすい事から長く愛されているのだと思います、 昔 トコブシをたくさん採って 同様の処理をし 身をスライスして加えた炊き込みご飯を作った事が有りますが これはもう サイコー! でしたね、 なにせご飯に対する貝の量が半端では有りませんでしたから。
 瀬戸内海の潮通しの良いところでは カサ貝は5㎝以上になりトコブシ級になります、フジツボも5㎝、亀の手は10㎝にもなりますので こんな所を見つけたら・・・
ナイショしておきましょう。
 アフリカからグレートジャーニーの第一歩を踏み出した人類も 海沿いの道をオーストラリア、南米大陸までたどったものですが そこまで話を広げなくても 海にでかければ楽しい1日は過ごせそう。
 
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 カメノテヒザラガイ、巻き貝   フジツボ、巻き貝       カサ貝