夏に蝉の鳴き声を食べる
ソーメンをかみ切る音
香川県の坂出市に 八十場という有名な湧き水があります、保元の乱で讃岐に流され 天皇家に最大の呪いをかけ 維新には王政復古直前に なんと明治天皇が坂出に「皇室に祟るのは もう勘弁してください」とお祓いをしに行ったという 崇徳上皇にゆかりのエピソードもある名水です。
目の前の麺茶屋では冷たい水を利用した”ところてん”が名物になっていますが ここは麺処讃岐ではのソーメンを食べられる事でも有名で 桶に張った水に泳がせたソーメンに たっぷりのかき氷をかけ キュンとしまった麺は 押入れの中で3年寝かした 小豆島の「島の光」、 のどごしはもちろん 食べきるまでコシが落ちず 麺をかみ切る音が歯から耳に ブチ ブチッと聞こえてくる絶妙な茹で加減でした。
麺は寝かしても弾力は変わらないという研究結果も有りますが 茹で加減と締め加減次第では差が出るようで確かに他とは明らかに違っていました、 3大ソーメンを取り寄せて食べ比べたところ 細さと言い のどごしと言い さすがと言う他有りませんでしたが ついに 家庭ではあの食感を再現することができませんでした。
最近はバッタもののソーメンが出回っていて 夏場には重宝するのですが 箸を手に持ち 茹で上がりを待って直ちに食べても どうもあの感じとはかけはなれてしまいます しかしながら 庶民には高級品を食べ続け訳にはいきません 早くて、安くて、のどごしが良くて、慌てて食べなくても伸びない麺は・・・・・・・と 言うことで
冷や麦の”お昼”
・ バッタ物の冷や麦を使い 茹で時間を表示の70%程度にして 直ちに冷水に
・ ソバとは異なり 薄めのだし汁をたっぷり使います、たっぷり呑めて 「ほんの
少し濃いかな」 くらい
・ 薬味は麺にかけておくと食べるとき絡み具合が丁度良いし これこそ田舎風
後は麺がくっつかないうちに食べきりましょう よく冷やした揚げナスでもあればサイコーのごちそうです、その上 饂飩ほど茹で時間はかかりませんし ソーメンのように慌てて食べなくてもいいですしね。
汗をかきながら 蝉の声と一緒に
ザザーッと すすり込みましょう