蓼食う虫-61

 
柚子の香りを閉じ込める
 
激闘1時間半
 
 冬の前になると 柚子が黄色く熟れてきますが しっかり熟した柚子は皮の苦みが無くなり かじっても美味しいものです、 学校の帰り道でお腹がすくと 長い竹の先を割って挟みやすくした「割ばさみ」なるものを使って取っては  皮だけをおやつ代わりに食べながら歩いたものです。
 中国人が日本に来てびっくりすることのひとつに 道から手が届く所に 柿やリンゴなどの果物が実っていると言うことがありましたが 日本の田舎では 他人様の土地のものを勝手にさわるなどもってのほかで たとえゼンマイでも採ろうものなら次の日から泥棒扱いされて 村八分にでもされかねない時代でしたが  何せ木にトゲがあるので 必ず近くに竹が用意してありましたから さあ取って下さいと行ってるようなもんです  トム・ソーヤーにあこがれた いたずら盛りに常識 はありません。  
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  1日目 : 採って下処        2日目 : 火に掛け 瓶詰め
  
柚子味噌
 
   レシピは 長くなりますので 手抜き料理のレシピ集を参考願います
 
 柚子味噌は基本的に 味噌風味のジャムです、一般的なレシピでは砂糖と味噌が多くて せっかくの風味が台無しになるので 調味料をだんだん少なくして この配合にたどり着きました、 砂糖が少ないので 冷蔵庫で保管しなければなりませんが 一年は十分持ちます、但し蓋を開けたら 雑菌が入らないように清潔な食器を使って取り出さないと カビが繁殖しやすいので注意して下さい。
 これを作るのは だいたい2日仕事で 最後は火に掛けてから激闘一時間半 焦がさないように混ぜ続けなければなりませんし ラスト30分は腕も折れよの大仕事ですから 二人で気合いを入れて交代しながら作ったものですが 残念ながら今年からは作れなくなりました。 
 
 そのままご飯に載せても 手巻き寿司に巻いても お豆腐にも お味噌汁や和え物の香り付けにも最高の一品です、 但し 「お味噌汁にも合うよ」と行ったら 「甘すぎるっ!」なんて言ってたお嬢さんがいましたが 柚子味噌だけで味噌汁を作るなんて
   もったいないにも ほどがあるでしょう      閉じ込めたのは柚子の香り !!