蓼食う虫-1

そこらに生えている雑草 「蓼」 の楽しみ方
 
蓼食う虫になる 
 
 初めて蓼を食べてみようと思いついたのは 何かの本で読んだ大阪城内での加藤清正の話からで、あるとき清正が仲間内の大名に 「最近塩蓼で飯を食ったら 大変旨かった」という話をしたら 「そんな贅沢な生活をしてはいけない」と たしなめられたという話があります。 
 早速 田舎の雑草の中から蓼を取ってきて 我が家の庭で育て始めたのが(ほっといただけ) かれこれ15年前、まずは塩蓼、ついでにキュウリの酢の物、蓼汁 と すっかり夏の定番料理になりました。
 蓼には赤蓼と 青蓼の2種類が有りますがいずれも庭の隅に植えておけばたくましく生きています。
 
  赤蓼: 畑地に自生 刺身のつまに 黒っぽい5㎜位の芽で ピリッ とするの
      が添えられていますがあれです
  青蓼: 水辺に自生 若鮎の刺身を食すとき使う蓼酢に使用します
 
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    赤蓼                 青蓼   
 
蓼を使った料理
 
 塩蓼
   赤蓼の先の部分 芽と2~3枚の葉を詰み 塩を加えて軽く揉んで ややしなっ
  としたら 両手の間に挟み 軽くすりあわせるようにする、塩の量は揉み終わった
  段階で塩粒を感じるくらいまで加えること。
   容器に入れて1~2日ほど冷蔵庫に保存すると味がなじむので 熱いご飯に
  ほんの少しのせて食べますが かなり辛いので いきなりたくさん食べないこと 
   あの加藤清正でさえ美味しいと言ったのは 倹約家だったのか 大名でさえ質
  素だったと言うことなのか 感慨深い思いで食べました。
   常備食です、ちなみにこの食べ方は赤蓼の方がしっくり来ます。
 
 キュウリの酢の物
   蓼の葉を2~3枚 約2㎜程度のみじん切りにして加えます あまり小さく刻み
  すぎると風味を感じないので注意してください、又 赤蓼は 緑になるほど辛みが
  強くなります。
   いずれにしろ 始めから入れすぎないように注意する必要が有りますが 食の進
  む夏の一品です
 
 蓼汁(冷や汁
   最近は冷や汁も有名になりましたが キュウリ、青紫蘇、ミョウガ、カイワレ、
  アサツキ、タマネギ等の野菜を入れ、氷で冷やした 冷たい味噌汁を ご飯にかけ
  て食べます。
   蓼は上記の野菜に キュウリの酢の物の要領で加えると風味が良くなります
 
  

 蓼汁は 赤蓼の赤い葉を 丼一杯取ってきて 味噌と一緒にすり鉢で荒く擂り キュウリ等の野菜を加えた冷や汁ですが 使用する蓼の量の割には 意外と辛さを感じないので安心して使用して下さい。

 江戸時代の料理の本には 風味が良いと紹介されている蓼ですが 現代では”蓼食う虫も好き好き”くらいしか知ら内人が多く 刺身のツマについている赤黒い小さな葉が蓼の芽だと言うこともほとんど知る人はいません。

 忘れられた日本の誇るべきハーブです、加藤清正公を偲んで活用してみませんか・