みちくさ-3

富士山へ 
 
 血気盛んな学生時代に 誰でもできるから魅力が無いと却下された企画のにひとつに
0mから富士山へ直登し 反対側に降りて樹海を横断するというのが有りました。
 最近の世界遺産ブームで 2500mからちょこっと歩いて山頂までなんてのが流行っているのを見て ふとそれを思いだし 「どうせ行くなら0mからだよな!」 と言ったら 「俺もつきあうよ」 というのが一人いて、 お互い引くに引けず 血気も鎮まり 体力も丁度いい加減な二人で歩くことになりました。
 彼が 又 中途半端に出世したモンで、自由には休めず 山よりゴルフの予定をを優先したおかげで セカンドベストな天候に 「俺は 晴れ男だよ!」 の 心強い一言だけをたよりに出かけました。
  
0~1440m : 36Km  
 
 まずは夜明けに 田子の浦の海水に片足を漬け、 記念に海岸の石をひとつ拾ってから出発、東海道線・国道一号・新幹線・東名・新東名を越えたら 後はただの坂道、 時折見せる富士山の影を追いかけて歩き、 途中から遊歩道を伝ってショートカットする予定が 都会暮らしの相棒が持っていたのは これが 普通の携帯。
 今時スマホだろ! と思っても後の祭り、 樹海を知っている私としては ナビ無しに森に入る気はせず 相談の上 ちょっと遠回りの富士山スカイラインを歩き 気がつけば15%の坂道を時速3Km。
 登りしかない道を歩くこと 9時間、一日中話疲れて 富士登山-御殿場口へ到着。
 
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イメージ 1    夜明けの田子の浦から       かすかに富士山を見上げながら歩きます       
 
1440~3776m : 20Km
 
 一度御殿場市内の風呂に入ってから 本格的に登り始めます、いつまでたっても間近に見えながら 頂上に近づけない小憎らしい登山道を 高山病に気を付けながらゆっくり登ります。                  
   2500mを越えると晴れ、 位置と時間が良かったのか 8合目位からはシリウスとアンタレスを同時に見ながらダラダラ続く坂道を歩きます、 夜中の星空に こんな光景を見ながら上れるなんて さすが富士山だけだと 感慨ひとしきりのうちに 頂上へ。
 気温5℃の中 夜明け前の頂上は 観光客で急激に混み始めます、「6合車の皆様 此処が撮影ポイントですから 順番に写真を撮ったら 急いで階段を下りて集合して
・・・。」「ニッチュウユウコウ ムウモンタイ シェーシェ・・・・。」「エクスキューズ・・・・?」 なんて大騒ぎがひとしきり終わったら 期待に満ちた静寂の中で静かに日が昇り やがてわき上がる歓声の中
 「どこから見ても 朝日は朝日」 と  一人反対を向いて影富士を堪能
         
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都会派の装備と普段着に作業ズボンの二人  ここがが写真の撮影ポイント
 
 
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いつまで行っても 目の前には山頂!、左の道は下山時に走った(よろめいた?)
                            大砂走りのルート 
 
 
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これぞ 此処でしか見れない景色 
                        
 
 御殿場に下山後は お約束のサウナへ直行。
             今回は車なのでビールが!
                      ビールが!
                              ビールが!                 
仕方がないので 東名高速 富士川S・Aの登りに立ち寄り 塩辛を大量に仕入れて                                                ウキウキしながら帰りました